2025/05/22

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中華文化総会の『匠人魂』、19作目は軍艦の修理や部品開発を行う士官長を紹介

2019/09/02
中華文化総会が、様々な職人の姿を伝えるミニ映像『匠人魂』の最新作、『修軍艦的人(軍艦を修理する人)』を発表した。写真は黄天来士官長。(中華文化総会提供、中央社)
政府が出資し、蔡英文総統が会長を務める社団法人の中華文化総会(THE GENERAL ASSOCIATION OF CHINESE CULTURE)は8月30日、様々な職業の「匠」(職人)の姿を伝えるミニ映像『匠人魂』の最新作を発表した。19作目となるこの作品は『修軍艦的人(軍艦を修理する人)』。中華文化総会は昨年、陸軍における落下傘の製造過程を記録した『完美落地(完璧な着地)』を制作しており、今回の『修軍艦的人』はこれに続く、国防部との合作作品となった。
 
『修軍艦的人』では海軍の黄天来士官長を紹介。黄士官長は馬公後勤支援指揮部(離島・澎湖県)の鋳造工場でグループリーダーを務めている。現在47歳の黄さんは軍に加わって28年。部品を製造する技師から、チームを率いて軍艦の修復や改造を行うリーダーとなり、今年はさらに軍の「楷模」(模範軍人)に選ばれた。
 
中華文化総会によれば、映像で黄天来さんが話す、「一定の『火候』(火の勢い、火加減)に達してはじめて『匠人』(職人)と呼ばれる」という一言こそが「匠人魂」(職人魂)の精神、さらには中華民国軍のプロフェッショナルな姿勢を言い表しているという。
 
黄さんは軍艦の修理やメンテナンスで長い実績を重ねてきたほか、数多くの重要な部品も開発。すでに退役した主力戦艦の「陽字号」をはじめ、様々なクラスの現役軍艦に黄さんによるメンテナンスの痕跡が残っていたり、黄さんの開発した部品が使われたりしている。黄さんはその専門分野で常に完璧を追求する職人精神を保っているばかりでなく、持続可能な技術の実現のため、経験の伝承にも絶えず力を入れているのである。
 
一方、黄天来さんは書道も得意。父親が木工業に従事していたことで、黄さんは幼少期から物を叩いたり打ったりする音の中で成長した。このため黄さんは書道で心を落ち着かせる術を会得、さらにその中から人生哲学も学び、精密な設計や辛抱強さが求められる鋳造作業に応用してきたのだという。
 
中華文化総会は2017年8月から、伝統工芸と革新的な工芸技術の分野で、町の片隅でひっそりと働く地元の優れた職人を探し出し、短編ドキュメンタリーの『匠人魂』シリーズを制作。同シリーズでは台湾における様々な職業の詳しい状況、活気、そして豊かなエネルギーを伝えることで、職人たちの精神がさらに重視され、人々がより敬意をもってそれを理解するようにと希望している。
 
『匠人魂』第19回は海軍編の『修軍艦的人』。すでに中華文化総会の公式サイトで観ることができる。
 

 
 

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